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ねこまたまめこは夢を見る。 へお越しいただきありがとうございます。

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振り向かせたい彼女 <後編>
 僕の言葉に偽りは無い。
 僕が彼女に伝えた想いに偽りは無い。

 好きなんだ。
 凄く凄く好きなんだ。
 
 彼女が僕をどう想っているのかは知らないけれど。
 僕が彼女を想う気持ちはそれだけなんだ。
 
「ねえ、好きでいても、いい?」













「勝手にすれば」
 そっけなさ過ぎる返答に、思わず息を詰まらせた。
 彼女はなんら変わりなく、窓の外の景色を見続けている。
 それがなんだかやけに憎い。
「・・・・・・ありがとう。勝手に好きで居る」
「うん」
 はっきりと拒絶されたほうがマシとも思えてしまうほど、どうしていいかわからない微妙な心境。
 悪い返事ではないのに、急に、どう接すればいいのかわからなくなる。
 そんな僕を救うかの用に授業の終わりを告げる鐘が鳴る。
 少し安心しつつも、二人で居られる時間に終わりを告げられたという事実に、複雑な気持ちが交差する。
 一瞬悩んだ末に出した答えは、結局いつもと変わらない。
 少しでも一緒に居たい気持ちを押さえられなくて、一生懸命あちこち綻んでいる自分の心を突貫で修正して、いつも通りに彼女を誘うんだ。
「教室、一緒に行こう」
「ん」
 荷物を持って立ち上がり、僕と彼女は静かな図書室を後にする。
 休み時間になったために賑わいを取り戻した廊下。
 僕は、悪あがきとわかっていながらも、わざとゆっくりとした歩調で進むことで、彼女と一緒に居られる時間を数秒だけでも引き伸ばす。
 彼女は気づいているのか居ないのか、僕の歩く速度に文句をつける事はなかった。




 彼女に想いを伝えた日から数日が経った。
 彼女との距離もは、想いを伝える前と全然変わっていなかった。
 告白というよりも、自分の想いを伝えただけなのだから、変わらなくても文句を言えた話では無いのだけれど、ギクシャクすることも無ければ親密になることもないので、ほっとする反面、変わらないことに憤りも感じていて、結局、想いを伝える以前よりもずっと色々と悩む事が増えていた。
「失敗したのか成功したのか、判断に困る状況なんだよなー」
 昼食を食べ終えて残った昼休みの時間。
 思わず零れた愚痴に、前の席に座っていた友人が振り返った。
「青春してるなー」
「してるとも」
 八クラスあるというのに、三年間ずっと同じクラスで、席順も常に前後になるという奇跡的な偶然が重なって、なんだかんだとずっとつるんでいる派手な外見の友人だ。
 友人は飲んでいたイチゴ牛乳のパックから伸びるストローから口を離して、悪ガキのような笑顔を浮かべて僕を見た。
「お前があの可愛いハルちゃんに振られた時には、「ざまあ見やがれ!」、と思ったけど、アキさんに想い伝えて振られなかった事に関しては、なんだか釈然としねえな。なんだよお前。盛大に振られて来いよなー」
 相変わらずの友人の捻くれた発言に自然と苦い笑いが漏れる。
「時に、お前となんでつるんでるのか謎になる」
「何を言ってんだよお前。俺様ほど友人思いな奴は他に居ないぞ? むしろ感謝しろ」
「何で上から目線なんだよ」
 派手だし、態度でかいし、俺様だけど、善い奴なのは確かだから、どうしたって憎めない。
 本当に不思議な友人だ。
「まあそう悩むな。お前はあのアキさんに想いを伝えてもバッサリ斬られやしなかったんだ。自信を持て自信を」
「どうしてそんなんで自信が持てるんだよ」
「知らないのか? お前。アキさんに斬られた連中は相当数居るんだぞ?」
「・・・・・・知らない」
 まるで知らない事実に思わずまじまじと友人を見つめる。
 悪ガキのような笑みを深めて、友人は俺の目を見返した。
「なんだ知らなかったのか。ならある意味幸運だったのかもな? 知ってたらちょっとは躊躇ったと思うぜ? なんせ皆、告白する寸前で首かっとばされてるって話だからなあ」
「それは・・・・・・知らなくて良かった、かも」
 彼女の思わぬ物騒な話に顔が少し引きつった気がした。
 そんな事聞いてたら躊躇ったどころの話じゃなかったかもしれない。
「と言うわけだ。自信を持て。親友の元彼って理由なだけで、お前が傍に居るのを許すなんてこと無いと思うからな」
 友人はけらけらとひとしきり笑うと、飲みかけていたイチゴ牛乳を音を立ててながら再び飲み始めた。
 励ましという励ましではなかったけれど、それでもある程度気持ちがすっきりした僕は、今度は明日また少しだけ一緒に過ごす事になるだろうひと時について悩む事にした。




 次の日の朝。
 一般生徒よりも一時間ほど遅く登校した僕は、何時もと変わらず、彼女が居るだろう図書室へと向かった。
 図書室の扉を開けると、相変わらずの静けさの中、彼女がいつも通り窓際の席で、珍しく、うつ伏せで眠っていた。
 会話が出来ないのが少し残念ではあったけど、初めて見る彼女の寝姿を間近で見れるというのでよしとする。
 うつぶせだから表情は見えないけれど、静かに規則正しい寝息を立てて居る所は彼女らかった。
 夏場と言う事もあってか、長い髪を結わいている事が多かった彼女だが、今日は久しぶりに髪を下ろしていた。
 僕は思わず、そんな彼女の黒い髪そっと触れてみたくなり、そっとその髪をすくいあげた。。
 触れてわかったが、毛先までまったく痛みの無い柔らかで綺麗な髪だった。
 しかもすごくさわり心地がよくて、いつまでだって触って居たくなるものだった。
 こんな風に些細な点ですらも、彼女は僕の心を虜にするのだから、本当にどうしてくれるんだと、なんだか皮肉を言いたくなってくる。
 彼女を起こさないようにと気をつけながら彼女の髪に触れていて、暫くすると、彼女が身じろぎをしゆっくり体を起こしたので、僕は慌てて手を離した。
「んー・・・・・・」
 昼寝をしていた猫が起きる時のような仕草をした彼女は、普段はきりっとした感じと違って凄く可愛らしい。
「おはよう。アキさん」
「・・・・・・ん。はよう」
 寝起きのためか、声が少し擦れている。
 そんなところがまたたまらなく可愛い。
 顔を向けた彼女のおでこが、うつ伏せで寝ていたためなのか、少し赤くなっている。
 それを指摘すると、彼女は慌てて前髪で隠そうとしたが、そんな簡単に隠せなかった。
「まだ見える?」
「うん、まあ、多分無理かも?」
 答えながら、少し必死な彼女の姿に、僕は思わず笑ってしまった。
 そんな僕の様子を見て、彼女は少し不機嫌な表情で、ぶっきらぼうな口調で不満を漏らす。
「笑うな」
「ごめん」
 普段見た事の無い反応ばかりするものだから、頑張って押さえようと思っても、中々笑いはおさまってはくれない。
「やっぱり僕、アキさんの事好きだなあ」
「笑いながら言われると腹が立つんだけど」
「ごめん」
「だから笑うなっ」
 そんなやり取りをしていたら授業の終わりを告げる鐘が鳴った。
 その頃には、彼女のおでこの赤みは無事消えていた。
 それでも彼女は不機嫌そうな表情を崩さないまま、荷物を持って席を立ち、そそくさと歩きだす。
「さっさと行くよ」
「・・・・・・うん」
 初めて彼女から一緒に行こうという意思の言葉を聞いて、僕の心は喜びに弾んだ。
「アキさん」
「・・・・・・何?」
 だから、駄目な時の事なんて考えるのは止めた。
 
 
 
 
「覚悟しておいてね」
 
 
 
 
 
 絶対に振り向かせて見せるから――――――。
 
 
 
 
 
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2009⁄07⁄12(Sun) 21:21
ジャンル:小説・文学  テーマ:自作小説  カテゴリー:自作小説
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性別 : 女
職業 : SE
備考 : ここ最近の優先度。仕事>越えられない壁>睡眠>読書>観劇>弓道>ゲーム>ニコニコ。…どうしよう。なにかものすごく間違っている気がする。

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