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ねこまたまめこは夢を見る。 へお越しいただきありがとうございます。

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My boyfriend
「明日、お台場に行こうか」
 彼からデートの誘いを受けたのは初めてだった。
 何時もは私から誘ってしていたものだから、初めて彼から誘われたデートに正直舞いあがっていた。
「うん! 行く行く!!」
「じゃあ、朝6時に駅で」
 デートにしては異様に早い待ち合わせ時間であることに、何かしら疑問を持っていればこんな目には合わなかったかも知れない。
「楽しみにしてるねっ!」




【My boyfriend】





「すげぇ! やっぱ実物大はすげえよ!! そう思わねえ?!」
「そ、そうだね……」
 早朝に待ち合わせして電車に揺られる事二時間。
 到着したのは確かにお台場だった。
 でもここは、はたしてデートスポットなのだろうか?
 彼は今まで見た事もないほどのハイテンションで「すげえ! すげえ!」と言いながら、一眼レフタイプのデジタルカメラでパシャパシャと撮影しているのは、ニュースで割と話題になっていた、実物大の巨大ロボットだった。
 時折胸元から白い煙が噴射されたり、顔が左右に動いたりするので、かなりリアルだと評判になっていただけあって確かに凄い。
 けれど、凄いからどうなのかと言われれば、私はまるで判らなかった。
 そう言えばそのニュースを流していた番組では、こんなコメントがされてたっけ。
「これはロボットではありません。間違えないように!」
 機械で作られた物なのだからロボットと言ってでいいじゃないかと思いはしたけど、そのコメントをした人物が、やけに本気の目でそう言っていたので、なんとなくその手の人にはタブーな発言なのではないかと思った記憶がある。
「外層はプラスチック、中は鉄筋ってのが残念でならないが、プラモでは決して味わえないスケールのでかさにロマンを感じる。うん、やっぱ良いわ!」
 彼は間違えなく、その部類の人なんじゃないだろうか?
 そう思ったら、下手に何か言うと危険な気がしてきたので、当たり障りのない言葉を返すのに徹する事にした。
「見れて良かったね?」
「ああ。朝早く出て空いてる時間に来れたのがよかった。あんまり邪魔が入らずマジマジと見れるのは最高だ!」
 あははと私は笑ったのだけれど、自分でも驚くほど乾いた笑いが出たので内心冷や汗を流した。
 幸い、彼はそんな乾いた笑いなんて気にすることは無くて、まるで幼い少年のように目を輝かせて見上げていた。



 そんなデートらしくないデートを時折しつつも数ヶ月が経ち、今日は彼と迎える初めてのクリスマスが迫っていた。
 時折見せるマニアックな彼に私も大分慣れてしまい、今では女友達には呆れられてしまうほどの知識も身についてしまい、恋人同士と言うにはいささか色気のかける状況でありながらも、いい関係を続けてきた私達。
 だけど、流石にクリスマスはロマンチックな一日が過ごしたいと思う私は、思い切って彼に尋ねてみた。
「ねえ。クリスマスはどうするの?」
「ああその事だけど、クリスマスは用事が入ってるから、イブの夜の予定空けて置いて」
 あっさりと返された言葉の意味を理解するのに少し時間がかかり、理解したらしたで、喜んでいいのかどうか迷う内容に首をかしげてしまった。
「それは全く問題ないけど……」
「八時に家に迎えに行くから」
 こんな風に言われたら、流石に期待してもいいよね?
 私は何も聴かないまま、彼の言葉に大きく頷いた。
 こっそり、あのデートの時の二の前にはならないで欲しいと願いながらではあったけど。





 クリスマスイブの当日。
 思い切って奮発して買った淡い薔薇模様が可愛いワンピースを着て、気合いを入れてメイクをしたら、あっという間に彼が迎えに来る時間になっていた。
 呼び鈴が鳴り扉を開ければ、いつものシックな装いだけど、よりシックな感じに纏めた装いをした彼が立っていて、私を見て柔らかく笑ってくれた。
「うん。俺好み」
 彼らしい言葉に思わず頬が熱くなった。
 部屋を出て、今はもう一般車としては殆ど見かけないマニュアル車に乗り込み、私がシートベルトをしたのを確認した彼は、慣れた手つきでギアを入れて車を発進させる。
「ねえ。今日はどこへ連れて行ってくれるの?」
「俺の家。俺の部屋」
「え?」
「俺のベッドの上というのをおまけしてもいいけど、どうする?」
「ぇえ?!」
 思わぬ言葉に一気に顔が火照る。
 付き合ってから一度もも彼の部屋に入った事は無いので、自然と色々期待してしまうのは仕方がない事でしょう?
 きっと真っ赤になってる私の顔を見て、彼はからかうような目を向けて、最後のは冗談だと言って笑った。
「半分だけ」
 と小さく呟かれた言葉は見事に聴き逃してしまった。



 彼の部屋は、予想通りと言えば予想通りの部屋だった。
「わあ……」
 部屋の壁はプラモデルのコレクションが整然と並べられている。
 ああ、私の彼ってこういう人だったよねと、改めて思い、なんだかよくわからないけど自然と肩が落ちた。
 それを見たのだろう彼は、少し苦い顔で言った。
「こんな状況だからさ、流石に躊躇いがなあ……」
 うん。そうだよね。
 思わずそう言いそうになるところをぐっと我慢して顔をあげた。
 すると、窓の外にはちらちらと白い粒が見えたので声を挙げた。
「雪?!」
 窓に駆け寄って良く見ると、やっぱり雪だった。
「やった! ホワイトクリスマスだよっ!」
 少し落ち込んだ気分はそれであっという間に張れてしまった。
 ロマンチックというより男のロマンがたっぷりな彼の部屋で彼が一生懸命作ったというディナーを食べて、ラブロマンスとあの巨大ロボットが出てくるDVDのどちらが見たいかと言われて迷わずラブロマンスを選んで彼に笑われて、一緒にそれを見て。
 凄く楽しい時間を過ごした。
 それはもう、大満足。
 そして、あっという間に進んでいた時計の針が零時を指そうとしている事に気付く。
「もうすぐ終わっちゃうね。クリスマス」
「寂しい?」
「……うん」
 素直にうなずいたら、彼は言った。
「じゃあ泊ってく?」
「ぇえ?!」
「俺のベッドの上というのはおまけにしてもいいけど、って言ったじゃん」
「あれは、冗談だって」
「半分だけね、とも言ったけど?」
「それは……どういう事でしょうか?」
 敬語でおずおずと尋ねると、彼は悪戯っ子のような笑みを浮かべた。
「それは身を持って知りたいって事と取っていいわけ?」
「えっと、それは……」
 思わずたじろいでしまったにも関わらず、私は自然と頷いていた。
 彼はそんな私を見て、少しだけ困ったような表情をしたけど、優しく頭を撫でて耳元で囁いた。
「Merry Christmas 我が愛しい彼女殿」
 時計の針が零時を指し、クリスマスの日を迎えた瞬間には、私は彼のぬくもりの中に居た。
「最高の時を君に……」


 二の前に鳴らないようになんて馬鹿みたいな事を願ってごめんなさい。
 
 彼は、最高のボーイフレンドです。




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2009⁄12⁄13(Sun) 23:23

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職業 : SE
備考 : ここ最近の優先度。仕事>越えられない壁>睡眠>読書>観劇>弓道>ゲーム>ニコニコ。…どうしよう。なにかものすごく間違っている気がする。

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