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ねこまたまめこは夢を見る。 へお越しいただきありがとうございます。

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Christmas Party yumiの場合 - 雪が降ったら -



雪が降ったから、お祝いしようか?










『今年のクリスマスは全国的に雪です! ホワイトクリスマスですよー! とても寒いのでしっかりとした防寒対策をして、都心部に住んでいる方々は電車・バスなどの交通機関のチェックをしっかりとして、積もった雪で転んだりして怪我などしないように、革靴などは極力履かないようにするなどして、楽しいクリスマスをお過し下さいねっ?』
「え? 雪?!」
 朝食をテーブルに並べていた自分の手が思わず止まる。
 その止まった手から、彼が皿を取ってテーブルに置いた。
 まだ寝癖の残る彼の髪を後でちゃんと直してあげなきゃとなんとなく思いながら席につくと、左目に斜めの傷跡が残る黒猫のナイト君が膝の上に飛び乗りまるくなった。
「あっ! ずるいよナイト君! 僕だって出来るなら彼女の膝の上で丸くなってたいのにー!」
 子供のようにナイト君にぷんぷんと怒る彼。
 彼の言葉を理解しているのか居ないのか、耳をぴんと立てて、尻尾を彼に見えるようにひらひらと揺らした。
「ナイト君は男の子だけど猫だよ? 猫と張り合ってどうするのよ」
「違います! これは僕とナイト君の男同士の闘いですっ!」
「はいはい」
 ナイト君が乗っている場所だけ、まるで湯たんぽを乗せているかのように暖かい。
 夏場ではやらなかったのだから、もしかすると解ってて膝に乗ってきているのかもしれない。
「いただきます」
 しっかり手を合わせてそう言うと、お箸を持って並べられたご飯を食べはじめる。
 好物の里芋をほうばり、幸せそうな表情でもぐもぐと食べる彼。
 いたって普通の味付けのはずなのに、時折、自分の作った料理が神の作った幻の料理なんじゃないかと、よくわからない恐ろしさを感じたりする。里芋限定だけど。
 食事を済ませ、彼と二人で慌ただしく仕度を始める。
「ねーねー、寝癖直らないよぉー。たーすけてー」
 メイク中の私の所に、こんな子供っぽい理由で駆け込んでくる彼。
 今に始まったことじゃなく、付き合い始めた時からずっとこんな調子だ。
 そもそも、私が仕事で訪れた職場で、完璧男と名高い彼が、仕事の帰り道、何故だか道端でおろおろとしている所にたまたま私が遭遇して、ついでに泣きつかれた、というのが付き合い始めたきっかけだったりする。
 彼は、仕事モードがオンの時には完璧男に、仕事モードがオフの時は駄目男になる人だった。
 それに呆れるわけでもなく、「あ。面白いかも?」なんて思っちゃったのが、私の敗因であり、運命の分かれ道だったのだと今は思う。
 まあ、それで損はまったくしていないけど。
 毎日同じように私の元へこうして駆け込んでくるちょっと間抜けな彼だけど、今は仕事モードがオフなんだから仕方が無い。そう割り切れる自分は自分でどこかおかしいのかもしれない。
 自分の仕度が全部終わり、スーツに着替えるだけなのに、どうしたらこんなに散らかせるのかという状況になっている部屋を手早く片付け、曲がったネクタイを直し、寝癖をホットタオルである程度直すと、ムースをつけて前髪を後ろにかき上げる。
 これで表情がキリリとすれば完璧、出来る男の出来上がり。
 今はまだそれとは程遠いいけど。
 時計を見ると、針はいつもより三十分は早い時刻をさしている。
 これならちょっとくらい雪が積もっていても十分いつもの電車には間に合うだろう。
 窓や火の元の確認をして、暖房を止める。
 ずっと部屋の隅にある自分の寝床で丸くなっていたナイト君が、すっくと立ち上がり、私を越して玄関で靴を履いている彼の所へ向かった。
 どうやら今日は雪ということで、外まで見送りには来てくれないらしい。
 まあ、しょうがないよね? 猫だもん。
 スーツでもそれほど見た目が悪くならないスノーブーツを履いた彼の足元の前にナイト君は座り込み、「なあー」と鳴いた。
 いつもの挨拶をするようだ。
 彼が座り込み、ナイト君の前に片手を出すと、その手をペシリとナイト君の手がはたく。
 そして、じーっと暫く見詰め合うと。
「彼女の騎士のお役目、まかされたっ!」
「なあー!」
 完璧な意思疎通。種別を超えた奇跡的な瞬間だ。たぶんだけど。
「いってきまーす!」
 彼と二人でナイト君に留守番をお願いして外に出る。
「うわー。白い!」
「そりゃあ雪だもんねぇー」
 やっぱり子供のようにきゃぴきゃぴと騒ぐ彼を、なんとか捕まえて歩き出す。
「朝からスーツ濡らしたら悲惨だよ? 騒ぐなら夜帰ってきてからねっ!」
「はーい」
 電車のホームでお互いに行き先が逆なので別れる頃には、彼の仕事モードのスイッチがオンになる直前だ。
 子供らしい顔から一変して、大人の男らしい懐の深い笑顔が浮かんでいる。
「気をつけてね」
「うん。いってらっしゃい」
 ぎゅっとお互いに手を握ってから、それぞれの仕事へと向かう。
 しんしんと降る雪を眺めながら電車を待っている間、ああ、そういえば彼と出逢ったときにナイト君とも出逢ったんだよねってことを思い出した。
 そういえば、あの時も雪は降ってたっけ。
「今日は早く帰らなきゃね」
 クリスマスだからじゃない。
 雪が降ったから、お祝いしよう。





 彼とナイト君に出会えた事をお祝いを――――――。





- 雪が降ったら -






2008⁄12⁄24(Wed) 23:00
ジャンル:小説・文学  テーマ:自作小説  カテゴリー:自作小説
comment(6) trackback(0)
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【 コメント 】



「クリスマスだから」お祝いするわけじゃなくて、大切な人達の為にその日お祝いできるって素敵ですね(*^^*)

そしていつも思います。
猫 飼 い た い 。
2008/12/26 02:28 URL | 準記念物 [ 編集]

はじめまして。

ナイトくんの存在がいいですね。彼もとても可愛い。

そんな三人の三角関係。誰が欠けても在り得ない、素敵な関係ですね。


2008/12/26 20:28 URL | 三代目 [ 編集]

>準記念物さん

結局、クリスマスっていうのはきっかけなんだと思うんですよ。
何を祝うかは、その人たち次第なんですよねー。
だから、こういうのもありかなとw

そして私もいつも思ってます。
猫 飼 い た い。

お仲間ですね?w
2008/12/26 22:18 URL | yumi@管理人 [ 編集]

>三代目さん

はじめまして。コメントありがとうございますっ。

ナイト君、私も気に入ってます。
ちょっと情けない感じの彼もお気に入りですw
こんな三角関係が、本当にあったらすごく羨ましいなぁと思います。
ああ、ちょっと嫉妬。

また気が向いた時にでも、よければいらしてください^^
2008/12/26 22:24 URL | yumi@管理人 [ 編集]

ハロウィン以来です お久しぶりです

彼女の彼の仕事モードのオンとオフの差に惹かれる所は分かる気がします

異性のギャップというのは、時々ぐっと惹かれますよね
2008/12/27 17:22 URL | tone [ 編集]

>toneさん

お久しぶりです。
私もtoneさんの作品読ませていただき、楽しませていただきました^^

ギャップっていうのは、人の魅力の一つですよね。
書いていて、私も彼にぐっときました。
いいなー、こんな彼氏~と、何故か嫉妬しました^^;

こんな恋愛、出来たら本当にいいですよねー。
2008/12/29 21:54 URL | yumi@管理人 [ 編集]
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