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短編小説 コドモとオトナ
短編小説 【コドモとオトナ】


「よし、今がシャッターチャンス!!」
 馴染みのお店で、馴染みの美容師のお兄さんが、髪からカーラーを外して私に向けてそう一言。
「うーわ。すっげぇーぃ」
 思わず感心。
 寝起きで髪の毛大爆発とか、そんな類じゃなくって、十年位前にはやったオバサンパーマみたいな状態。
 いくら、ふわふわ巻き毛のアップスタイルにするとはいえ、仕上がる前の段階として、これは笑いだしたくなるほど素晴らしい具合だった。
 っていうか、似合わないけど似合わないなりに似合っているから余計におかしい。
「撮る? 写真撮る? ネタに持ってこいだよ?」
「んー・・・・・・。カメラ出すの面倒なんでいいですっ」
「そう? なら髪の毛いじっちゃうねー」
「はーい」
 くるくると巻かれた髪が、普段自分でやろうとしても恐らく出来ないくらいに複雑に髪が編みこまれて、ヘアピンで複雑に止められてゆく。
 覚えようと思っても絶対無理な髪型になりそうなのがわかったので、いつもは細かくやり方を見ているけれど、今日は完全に覚えるのを放棄した。
「自分の誕生日はそうでもなかったですけど、今日は大人になったって感じーするんですよねー」
「それは確かかもねぇ。でもさ、大人になったら、あっという間に歳とっちゃうんだよー?」
「まだ大人になったばっかなんでわかりませーん」
 誰もが言う。
 大人になったらあっという間だって。
 だけどそんなの、今の私にはわかるわけない。
 だって、歳をとるっていうのは、経験しないとわからないから。
「一年後くらいにそれに気づければ御の字ですよー。たぶんですけど」
「そうだねー。二十代なら、まだいろいろやれること沢山あるからねー」
 伸ばして。捻って。巻いて。止めて。
 鏡に映る私の姿がどんどんと変わってゆくのがなんだか面白い。
「式は午後から?」
「そうですよー」
「ならこの状態キープかー。大丈夫かなー」
 完成した髪を崩さないようにするために、ヘアスプレーをこれでもかってほどかけられる。
「あ。自転車乗って帰るとかOKです?」
「ダメダメダメっ?! くーずーれーるぅー!」
「ですよねぇー。ってか着物着るんで自転車で着てませんけども」
「自転車で来てたなら引いて帰ってもらわないとっ」
「徒歩でよかったです」
 ばっちり決まった髪型。
 でも下は普段着なので、派手な髪型とミスマッチ。
 うーん。さっきのカーラーとったばっかりのくるくる頭とどっこいどっこいの笑える状況な気がする。
 幸い、それで外に出るわけじゃないので笑い物にはされないけど。
「じゃあ後は着付けとメイクだね。おねがいしまーす!」
 女性従業員の人が手まねきする方向に向かっていくと、着替えスペースがあった。
「じゃ。お着替えしましょう♪」
 そんなに時間をかけられるわけがないので、そそくさと服を脱いで着物の袖に手を通す。
 胸が無いので、なんだか当て布を沢山入れられた。
 かさ増しにするにしても、ちょっと大げさな気がしなくもない。
 というか、胸が無いことに泣けてくる。
「はい、完成。うん、美人さんねっ」
「そう言っていただけて大変光栄です。わー。胸あるわー」
「出血大サービスです」
「わーい。ありがとー」
 本気で泣けてくる。
「じゃあ最後にメイクいっとこ。ふふふ、美人にして差し上げますよ、お嬢さんっ」
 怪しい笑みを浮かべて筆を持つお兄さん。
 美人になりたいけども、笑みが怪しすぎてなんか怖い。
「のせて~。塗って~。またのせて~♪」
 怪しい言葉とは裏腹に、普段ばっちりメイクなんてしない私の地味めな顔が華やかに変わっていく。
 舞妓さんのように白塗りで、誰これ? ほどじゃないけれど、仕上がった時には相当変わってびっくりだった。
「再びシャッターチャーンス!!」
「あ。これは撮ります」
 鞄をごそごそあさってパシャリと撮影。
 おー。地味に美人・・・・?
「じゃあ。今日は楽しんできてねー!」
「はーい」
 カランコロンと音をたてて扉が開いて、からんころんと音をたてて歩き出す。


 これからたった少しの間だけ、大人と子供の間の気分を味わうために、大きく深呼吸して心を落ち着けて。




 今日はオトナって認められる日。


 その境目はよくわからないけど、子供じゃない事だけは理解しなきゃいけない日。






「成人、おめでとう!」











2009⁄01⁄10(Sat) 23:38

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備考 : ここ最近の優先度。仕事>越えられない壁>睡眠>読書>観劇>弓道>ゲーム>ニコニコ。…どうしよう。なにかものすごく間違っている気がする。

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